「育休明けに時短勤務制度を使いたいが、実際どうなの」
「病棟で時短勤務ってどうなんだろう」
と思うことはありませんか?
たとえ時短勤務とはいえ病棟の忙しさを知っているからこそ、自分に仕事と子育ての両立ができるか不安になってしまいますよね。
結論からお伝えすると、激務の病棟で人よりも短い時間でテキパキ動かなければいけない時短勤務はとても大変です。
この記事を見れば時短勤務で働く病棟看護師の現実や、自分に向いている働き方なのかがわかります。
「時短勤務が不安」「自分にはできるのかな」と悩んでいる人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
病棟の時短勤務看護師はどんな感じなの?役割や1日の流れとは
病棟の忙しさを知っているからこそ「時短勤務でも復帰するのは無理なのでは」と不安になってしまいますが、実際は時短看護師として復帰している人がたくさんいます。
すべての病院で時短勤務が取得できるわけではないので、時短勤務で働く看護師の基礎知識を紹介していきますね。
職場によって日勤の時間が異なるものの、6時間勤務であれば子どもが小さくても働きやすいです。
利用できるのであれば絶対に時間勤務をおすすめするので、時短勤務の基本情報を細かく解説していきますね。
時短勤務の基礎知識
時短勤務は1日の所定労働時間を6時間とする制度で、子どもが3歳になるまで適用されます。
3歳から小学校就学前の子をもつ労働者にも努力義務は課せられているものの、基本的にはこれから紹介する5つの条件をすべてクリアした人のみ対象です。
- 3歳に満たない子どもを養育している労働者
- 1日の所定労働時間が6時間以上
- 日雇い労働者ではない
- 時短勤務が適用される3歳までの期間に育児休業を取得していない
- 雇用期間が1年以上であること
勤続1年以上、3歳に満たない子どもがいるフルタイムの労働者が時短勤務を利用できるので、病院に時短制度が利用できるか確認してみてください。
なかには知らずにフルタイムで復帰した人もいるため、時短勤務の利用を検討している人は申請できるか聞いてみてくださいね。
時短看護師の役割
残念ながら時短勤務だからと業務が楽になるわけではなく、フルタイムで働く看護師と同じ役割を任されます。
働く時間を減らしても求められる仕事量はフルタイムの人と同じなので、さまざまな業務を効率的におこなわなくてはいけません。
- 患者さんのケア
- カルテの入力
- 指導係
- 受け持ち(病院によってはフリー)
「これじゃフルタイムと変わらない仕事量だ」と思ってしまうほど負担は大きいため、仕事をテキパキこなさなけれな定時で帰宅することはできません。
残業になることも多々あるので、子どもを保育園に預けている場合は延長保育の申請をしておいたほうが安心して働けますよ。
時短勤務で働く看護師のタイムスケジュール
わたし自身1人目と2人目を出産後に時短勤務で働きましたが、やはり1日があっという間に過ぎるほどバタバタした日々を過ごしていました。
そこで、当時のスケジュールを紹介するので、復帰が不安な方は参考にしてください。
5:30 | 起床 朝食や旦那のお弁当作り |
7:00 | 子ども達起床 子どもを起こし、朝食を食べさせる |
8:00 | 保育園へ送り、そのまま出勤 |
9:00 | 業務開始 |
16:00 | 退勤し、保育園へ迎えに行く |
16:30 | 夕飯の買い出し 上の子の習い事送迎(週2回) |
18:30 | 夕食 |
20:00 | 子どもと入浴 |
21:30 | 子ども寝かしつけ |
23:00 | 就寝 |
時短勤務をしていたおかげで上の子を習い事に行かせたり、子どもと心に余裕をもって接することができました。
2人目が1歳になりフルタイムに復帰すると保育園のお迎えも時間ギリギリになり大変だったので、子どもとの貴重な時間を大切にしたい人は時短勤務も検討してみてくださいね。
フルタイム時代は2人の子どもの世話に加えて労働時間が増えたことで、気持ちにゆとりが持てなくなってしまいました..。
看護師が病棟で時短勤務で働く3つのメリット
時短勤務は幼い子をもつ労働者が仕事と育児を両立させるための制度なので、ワークライフバランスがとりやすいです。
短い時間とはいえ働いていれば給与がもらえ、子どもとの時間を満喫できる時短勤務。3つのメリットを紹介していきます。
給与は減るものの毎月安定した収入が得られれば心に余裕が持てるので、仕事と子育てどちらも両立したい人におすすめの働き方です。
具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく紹介していきますね。
1.仕事と子育ての両立ができる
看護師という仕事はつねに忙しく、子育てをしながら出産前と同じようにバリバリ働くことは現実的ではありません。
たとえ子どもの世話を任せられる人が近くにいたとしても、フルタイムで復帰し残業もおこなえば家に帰るころにはクタクタで子育てどころではないです。
- 正社員として働くため、パートよりも給与が高い
- 保育園の送り迎えがしやすく、子どもとの時間も確保できる
- その気になれば、すぐにでもフルタイムに戻せる
時短勤務で働けば安定した収入がある心の余裕、忙しいもののフルタイムよりも体力的に楽なので、家事と育児の両立がしやすいです。
子どもを育てながら働くのは大変なことですが、明るい時間に子どもを迎えに行ける時短勤務はママナースにおすすめの働き方です。
2.子どもと接する時間が増える
子育ては終わりの見えない戦いのような気持ちになってしまいますが、終わってみれば子どもと過ごす時間は人生のなかでも一瞬です。
たしかに子どもを育てるうえでお金は大切ですが、それ以上に子どもと過ごす時間は大切だと感じているママは多いのではないでしょうか。
- 子どもに寂しい思いをさせずに済む
- 働いているママはかっこいいと思ってもらえる
- 子どもに申し訳ないという罪悪感が減る
一説には子どもと過ごす時間は一生のなかの7年6ヶ月しかないと言われているので、いかに人生の中で短い時間なのかがわかります。
看護師の代わりはいくらでもいるものの子どものお母さんは世界に1人だけなので、今しかない子どもが小さい時間を大切にできます。
3.職場に早く復帰できる
少し前までは仕事と育児を両立させるためには「フルタイム」「パート」の2つしかなかったものの、最近は雇用形態も多様化してきました。
時短とはいえ早く看護師として復帰することはメリットが多いので、具体的な利点を5つ紹介します。
- ブランク期間を短くできる
- 看護スキルが上達する
- 子どもの養育費への心配がない
- 転職しやすい
- キャリア中断のリスクが減る
子育てと仕事の両立は大変なことですが、子育て費用の捻出や自分のキャリア継続などメリットがたくさんあります。
閉鎖的な空間で子どもと2人で過ごしていると気が滅入ることもあるので、外に出て働くことは気分転換にもなって良いですよ。
看護スキルの低下を最小限に抑えられるので、早く職場復帰するのも悪いことばかりではありません。
看護師が病棟で時短勤務で働く3つのデメリット
周りの環境や理解度によって変わるものの、正社員でありながら勤務時間が短いため「申し訳ないな」と思いながら働かなくてはいけません。
給与面以外のデメリットは働き始めなければわからないものの、どのようなデメリットがあるのか代表的なものを3つ紹介します。
デメリットの方が上回れば時短勤務ではなくパートも選択肢に入れなくてはいけないので、取得前にどんなデメリットがあるか把握しておくことが大事です。
自分に合った働き方なのか見極めるためにも、時短勤務のデメリットを詳しく解説していきますね。
1.残業があり定時で帰宅できない
時短勤務の看護師が定時で帰宅できない理由の記事でも解説していますが、時短にもかかわらず残業はあります。
フルタイムでやっていた仕事を時間内に終わらせなくてはいけないので、ときには残業で定時に帰宅できない日もあります。
- 手が空いている時間にできることはないか
- 処置や記録にかかる時間はどれくらい必要か
- 並行してできる業務はあるのか
- 重要度の高い仕事からこなし、隙間時間も有効活用する
- 1日の流れを振り返り、改善できることがないか考える
いくら効率よく動いても仕事が終わらないとき、仕事を頼める状況ではないときは残業して仕事を終わらせなくてはいけません。
時短勤務とはいえ仕事量はフルタイムと同じで1日の業務が終わると疲れがドッと出るので、テキパキ仕事をこなす自信がない場合はパートや単発なども検討してみてくださいね。
2.肩身の狭い思いをしなくてはいけない
勤務先の雰囲気によって異なるものの、なかには時短勤務を良く思わない看護師も存在します。
仮に周りのスタッフに恵まれて時短勤務で働きやすい職場だとしても、やはり「自分だけ早く帰ってしまって申し訳ない」と気後れする人は多いです。
- 時間内に仕事が終わらなかったとき
- ほかの看護師へ仕事をお願いしたとき
- 保育園のお迎えを誰にも頼めない日は、定時で帰宅したとき
わたし自身も時短勤務でほかの人より早く帰宅したうえに夜勤は免除してもらっていたので、とても肩身が狭い思いをしました。
次第に「先に帰るなんてずるい」と言われている気がして職場にいづらくなってしまったので、勤務先の理解がなければ辛い思いをしなくてはいけないかもと覚悟しておいたほうが良いです。
3.時短勤務で働くと手取りが少ない
フルタイムよりも働く時間が短い時短勤務は、当然のことながら給料や賞与が減ってしまいます。
時短勤務を選択すると基本給がガクッと下がり思っているよりも稼げない看護師は多いので、事前にシミュレーションしておくと安心です。
給料 | 約25%下がる(月5万円程度) |
手取り | 給与の1割程度下がる |
賞与 | 病院によって異なるが、下がる場合もあり |
夜勤や残業の有無で給与は変わるものの、時短勤務看護師の手取りは15万円~20万円程度であることが多いです。
時短勤務を利用すると「思ったよりも手取りが少ない」「生活できない」と嘆く看護師も多いので、収入UPを目指すなら残業や転職も検討してみてくださいね。
わたしも時短勤務をしていたときは総支給25万円、手取りは18万円ほどになってしまいました。
時短勤務で働く看護師のよくある悩み
フルタイムで復帰するのか、それとも時短勤務で働くのか悩む看護師は多く、労働条件や人間関係を気にしている人が多いです。
そこで、時短勤務のよくある悩みを紹介するので、不安解決に役立ててください。
- 時短で働く看護師は迷惑なの?
-
職場によって異なります。
職場に時短勤務を取得した人、ママナースが多ければ「今だけ仕方ない」と思ってもらえるものの、なかには「いつも仕事を残していく」とこころよく思わない人もいます。
会社から許可をもらって時短勤務をしているので、ある程度割り切ると心が軽くなりますよ。 - 時短勤務は「ムカつく」って言われない?
-
職場の理解度によって異なります。
保育園のお迎えなどで、どんなに頑張っても仕事を残してしまうことはあります。
陰口を言われていることを知りながら働いている人もいるので、人間関係は割り切らないとつらくなってしまうかもしれません。 - 看護師はいつまで時短勤務で働けるの?
-
3歳までは時短勤務で働けます。
3歳から小学校に入学するまで制度は利用できるものの、努力義務のためかならず取得できるわけではありません。
詳細は、勤務している病院へ聞いてみてくださいね。 - 病棟で働くと時短勤務でも夜勤があるの?
-
申請した場合、午後10時~午前5時までの勤務は免除されます。
本来であれば夜勤は免除してもらえるものの、なかには「申請が通らなかった」「パートを打診された」というケースもあります。
勤務している病院ごとに対応が異なるので、詳細は確認してみてください。
人間関係は働いてみなければわからないものの、時短勤務の期間や夜勤の有無は問い合わせればわかります。
時短勤務の取得はゆくゆくはフルタイムで復帰する前提となってしまうので、利用する前に今後の働き方を考えてみてくださいね。
パートへの変更を申し出ても「フルタイムが前提だからできない」と言われるケースもあるので、時短勤務を利用する前に働き方を考えたほうが良いです。
「もう辛い…」病棟の時短勤務に限界を迎えた場合の対処法3選
外来での時短勤務なら残業も少なく働きやすいものの、予測できない事態が起こる病棟では心身ともに疲弊してしまうのは当然のことです。
心と身体が元気な状態でなければ子育てはできないので、限界を迎えた場合の対処法を3つ紹介します。
病棟で働くことは時短勤務でも可能ではあるものの、家族や周りのスタッフなど環境次第で働きやすさは変わります。
子どもを育てながら働くことは大変なことなので、辛い場合はどうしたらよいのか3つの対処法を紹介していきますね。
1.残業が少ない部署へ異動してもらう
病棟は突発的な出来事が起こるため大変ですが、働く場所を変えれば残業がなく定時で帰宅できる可能性がグッと上がります。
ほかのスタッフも定時で帰れれば「あの人だけずるい」など陰口も減り働きやすくなるので、比較的働きやすい部署を3つ紹介します。
- 透析
- 外来
- 採血室
働きやすい部署はあるものの空きがなければ異動できないので、限界を感じたらすぐに「部署を異動したい」と伝えておきましょう。
なお、働きやすければどこでも構わないという人は、病棟よりも作業量が少ない外来がおすすめです。
まずは空きがあるか、近々空きが出る予定があるか確認してみてください。
2.雇用形態をパートへ変更する
時短勤務もパートも労働時間が短いことは共通しているものの、時短は正社員のための制度なので責任がのしかかります。
たしかにボーナスが出る、福利厚生が充実しているなどのメリットはありますが、パートのほうが子育てがしやすくなります。
- 曜日や時間を指定して働ける
- 作業量が減る
- 定時で帰りやすくなる
- 土日に休めるようになる
- 子ども中心の生活へシフトできる
パートになれば収入自体は減ってしまいますが、延長保育を利用せずお迎えに行ける、習い事を始めさせてあげるなどメリットもあります。
同じ職場で働かせてもらえば新しく業務を覚える必要もないので、時短勤務からパートへ変更できるか聞いてみるのも1つの手です。
時短勤務はフルタイムに戻ることが前提の制度なので、断られたら退職も視野に入れて検討してみてください。
3.病棟以外の職場へ転職する
「部署の移動ができない」「パートへの変更は無理だと言われた」という場合、残す選択肢は病棟で働き続けるか退職科の2つだけです。
時短勤務とはいえ病棟は時間通りに帰れないことも多いので、定時で帰りやすい職場へ転職すると心と身体の負担が一気に減りますよ。
- クリニック
- デイサービス
- 有料老人ホーム
- 訪問看護
- 訪問入浴
探せば残業が少なくママナースでも働きやすい職場はたくさんあるので、通勤しやすい場所に良い職場がないか探してみてください。
今すぐ転職するつもりはなくても情報収集をして損はないので、子育てと仕事を両立できる職場がないか探してみてくださいね。
病棟は忙しく時短勤務看護師が働くのは大変
時短勤務とはいえ病棟は忙しく残業がつきものなので、毎日時間と闘いながら仕事をし、保育園のお迎えへ行き、そのあと家事もこなすのは大変なことです。
仕事で疲れ果て子どもの相手をする気力がないという状況に陥ってしまっては本末転倒なので、異動や転職で環境を変えることも検討してみてくださいね。
- 労働時間が短い時短勤務だが、仕事内容はフルタイムの人と同じ
- 時短勤務のメリットが生かせれば仕事と子育ての両立は可能だが、病棟では難しい
- どうしてもつらい場合は異動や転職など、働く環境を変えたほうが良い
子どものために正社員でお金を稼ぎたいというのも選択肢の1つではあるものの、子どもと過ごせる時間は人生のなかでも少しだけです。
看護師の資格があればゆっくり働き子育てに専念することも十分可能なので、自分に合った働き方を探してみてくださいね。
時短勤務のメリットを活かせる職場はかならず見つかるので、諦めずに頑張ってください。
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