「激務なうえに残業ばかりで辛い」
「サービス残業ばかりで嫌になる」
看護師として働いていると、こんな風に思うことはありませんか?
「こんなに残業が多いなんて看護師はブラックだ」と思いながら働いていても、看護業界全体が残業が多く仕方ないと諦めてしまっている部分があるのではないでしょうか。
なぜ看護師の残業は多く、なかなか定時で帰宅できないのでしょうか?
この記事を見れば看護師の残業が減らない理由、どうすれば辛い現状から脱け出せるのかが理解できます。
「残業続きで限界…」「プライベートの時間が欲しい」と悩んでいる人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
過酷な労働環境のなか日々頑張る看護師は多いものの、なかにはサービス残業や長時間勤務など労働に見合った対価をもらわずに働いている人もいます。
- 辞めたいけど今辞めたら後悔しそうで不安
- 次の仕事が見つかるまでは辞められない
- 人手不足で自分が辞めたら職場の人に迷惑をかけてしまう
辞められない事情は人それぞれですが、無理をして働き続けて心身を壊してから後悔しても遅いです。
意外かもしれませんが、いざ辞めると「悩んでいた時間がもったいなかった」「早く辞めれば良かった」と後悔する人が大多数なので、辞めたいと悩んでいる人は転職先を探してみて下さい。
今すぐ転職するつもりはなくても転職サイトに登録しておけば求人情報が送られてくるので、良い求人があったらすぐに転職活動を進められますよ。
\ 看護師100人に調査 /
看護師の残業は当たり前なの?約9割が時間外労働をおこなっている
株式会社マイナビがおこなった1ヶ月間の時間外労働時間の調査によると、全体の9割が40時間未満の残業をおこなっているほど看護師の残業率は高いです。
どんな職種でも多かれ少なかれ残業はあるものですが、やはり看護師の残業率は非常に高く上限規制を超える職場もあるほど定時で帰宅するのは難しいことがわかります。
9割近くの看護師が少なからず残業をしていることを考えると、上司や先輩ナースの「残業は当たり前」という考えはかなり根深いことがわかります。
「看護師だから残業は仕方ない」「残業が辛いと思う自分は間違っているのでは」と思ってしまうものですが、過度な残業は当たり前ではないので職場の雰囲気も帰りにくい要因の1つです。
あまりにも過酷な環境で働いていると心身ともに疲弊してしまうので、無理をし過ぎていないか自分へ問いかけてみてくださいね。
看護師はブラックすぎる!?残業が多い3つの理由
緊急がつきものの看護師は定時で帰りにくい職種ですが、残業が多いのは看護師だからという理由だけではありません。
すべての病院が該当するわけではないものの残業が多いのは「当たり前」と思っている上司が多いのも要因の1つなので、なぜ残業が多いのか3つの理由を紹介します。
前残業やサービス残業が習慣化し「看護師はブラックだ」と言われるほど過酷な労働環境なので、残業ばかりでつらいと思っている看護師はたくさんいます。
なぜ看護師は残業が多いのか、詳しく解説していきますね。
1.夜勤と残業をしなければ給料が安い
看護師は病院だけでなく介護施設や保育園など働く選択肢が多く、専門職のため給料は安定しています。
しかし、日本看護協会2021年病院看護・外来看護実態調査のデータによると、大学を卒業し新卒入社した場合の基本給は209,990円、専門学校卒業の場合203,445円と決して高くはありません。
看護師の給与はほかの職種に比べて高いと言われていますが、夜勤や残業代があってこその高収入だということがよくわかります。
稼ぐために残業をしていると、なかなか断りにくいですよね。
2.前残業が当たり前になっている
看護職員の労働実態調査報告書によると、日勤をおこなう人の53.2%もの人が就業開始前に残業をおこなっていることがわかりました。
患者さんの情報収集や仕事の準備が必要なので前残業は重要なのですが、サービス残業だからこそ不満に感じてしまうのは当然のことです。
人の命を預かる仕事なので事前の情報収集は重要ですが、無言の圧力で前残業が当たり前の職場環境なのか見極めてくださいね。
どの職種でも仕事に慣れるまで時間がかかるのでサービス残業が多いのは仕方ないものの、当たり前ではありません。
3.サービス残業が習慣化している
労働基準法で1ヶ月の残業時間が定められているため、どうにかして違反を逃れようとする企業も存在します。
仕事量が多いからこそ時間内に仕事が終わらないことがある看護業界で、定時になると「タイムカードを切れ」と指示する病院はたくさんあります。
病院によっては「前残業が終わり申し送り直前にならないと打刻できない」「提示になると打刻をして残業をする」という風習が残っているので、あまりにもひどい場合は労基への相談なども検討してみてくださいね。
あまりにも異常な場合は労基へ相談、もしくは転職をして現状を変えてくださいね。
看護師の残業が減らない3つの原因
日勤の場合53%以上の看護師が前残業をおこなうほど看護師の残業は多く、新人ともなれば業務開始1時間~2時間前には出勤することも珍しくありません。
始業前だけでなく定時で仕事が終わっても帰れない、残業が減らないのには理由があります。
看護師以外の職種でも仕事に慣れるまでは残業が多くなるものですが、看護師の場合は職場の雰囲気も帰れない要因の1つです。
残業が続き心身ボロボロの状態で働いている看護師も多いので、なぜ残業が減らないのか詳しく解説していきますね。
1.帰りにくい空気が蔓延している
たとえ自分の業務が終わり定時で帰ろうとしても、先輩が残業しているのを見ると「帰りにくい」「帰ってはいけないのでは」と感じてしまいますよね。
なかには残業は当たり前という価値観の人もいるため、どんなに定時で帰りたくても帰れない人もいます。
- 自分の仕事が終わり帰ろうとすると、冷たい視線で見られてしまう
- 仕事が終わり定時で帰ると陰口の的になってしまう
- ほかの人に迷惑をかけられないという日本人特有の思いやり
「新人は残業するものだ」「定時で帰ると文句を言われる」など定時で帰ることを悪だと思っている人もいるため、職場内全体の雰囲気が「残業して当たり前」という考えに染まっているケースもあります。
患者さまの急変などがあり定時で帰ることは難しい職種ではあるものの、上司の意識が変わらない限り「残業をして当たり前」という風習こそ残業が減らない現況です。
2.つねに人手が不足している
驚くべきことに看護師と准看護師の数は年々増加し10年間で1.4倍に増えたものの、現場で「ラクになった」という声は聞きません。
需要と供給が追い付いていないことが人手不足最大の原因で、看護師を辞めたいと思う理由でも上位にあがるほど辛いと感じながら働いています。
(出典)マイナビ看護師
どの職種でも人間関係や給与が安いという理由で辞めたくなるものの、仕事が忙しい、夜勤が辛いという理由は看護師ならではです。
2025年には最大27万人の看護師が不足すると言われるほど人手不足は解消されない見込みなので、病院が働き方を見直さない限り残業問題はなくならないかもしれません。
3.看護記録を作成しなくてはいけない
おこなった業務内容を記録する看護記録は非常に重要なもので、患者さんごとに「誰がどのようなケアをおこなったのか」を記録しなくてはいけません。
看護師労働実態調査によると、残業の1番の原因は看護記録と回答している看護師が非常に多いです。
(出典)メディカルサポネット
本来であれば適時記録しなければいけないものの、ほかの業務が忙しく退勤のタイムカードを打刻してから記入する病院も少なくありません。
担当する患者さんが多いほど記録に時間がかかってしまうので、さらに残業時間を増やし悪循環を生んでしまっています。
さまざまな要因で残業が多い、残業をしても手当てがつかないと働くモチベーションが下がってしまうのは当然のことですよね。
「残業ばかりで辛い…」現状から脱け出す3つの方法
残業ばかりで辛いときの対処法として、大きくわけると「業務のやり方を見直す」「働く環境を変える」2つの方法があります。
今の職場が好きなのか、看護師として自分が活躍できる場で働きたいのかで取るべき行動が変わるので、現状から脱け出す方法を3つ紹介します。
残業ばかりの環境に慣れてしまうと当たり前だと感じてしまいますが、辛いと感じているのは無理をしている証拠です。
自分で行動を起こさなければ何も変わらないので、どうやって現状を変えれば良いか詳しく解説していきますね。
1.仕事に優先順位をつける
前残業を少しでも減らしたい場合、仕事の優先順位を決めると効率よく仕事をこなせます。
本来自分の仕事が終われば残業をする必要はないので、自分の仕事をいかに効率よく終わらせるのか考えると良いです。
- 1日の予定をスケジューリングし、時間配分を意識する
- 1つ1つの仕事がどれくらいで終わるのかチェックし、今後の参考にする
- 同時並行で業務をこなしていく
- 看護記録は隙間時間を有効活用する
- 毎日振り返りをおこない、改善できる部分があるか考える
容態の急変や処置の追加、緊急入院など業務開始時にはなかった仕事が追加されることも珍しくないので、今やらなければいけないことは何かを考え仕事に優先順位をつけると効率的に仕事ができます。
ただし、自分1人の頑張りだけでは残業が減らないこともあるので、その場合は部署異動や転職も検討してみてくださいね。
2.部署異動を希望する
どうしても残業ばかりで辛いときは、病棟から外来に移動するだけでも残業時間をグッと短縮できます。
比較的残業が少ない診療科はいくつかあるので、その一例を紹介していきますね。
- 回復期リハビリテーション病棟
- 人工透析内科
- 皮膚科
- 健診センター
- 精神科
希望が通れば残業時間を減らせるものの、かならずしも希望通りの部署へ行けるわけではありません。
すぐに異動できない、異動する場所がない場合は転職したほうが良いケースもあるので、まずは部署異動ができるのか上司に相談してみてくださいね。
3.転職し働き方を変える
職場の雰囲気が帰りにくい、異動する部署がないという場合は転職し働き方をガラリと変えるのが有効です。
探せば残業0の職場、月5時間未満の職場は見つかるので、今の辛い状況から抜け出せます。
- 現状から脱け出したいからと焦って探さない
- ミスマッチを起こさないよう、転職先の情報収集をする
- 看護仲間や転職のプロに相談し、客観的視点でアドバイスをもらう
残業が少ない診療科目を探すのも良いですし、きちんと残業代を支給してくれる病院を探すのも良いです。
働く環境が変わればモチベーションが上がり楽しく働ける可能性が高まるので、条件に合う求人がないか探してみてくださいね。
転職にはリスクがともなうので、少しでもリスクを減らしたい場合は転職サイトに登録しアドバイザーにリアルな情報を聞くと良いですよ。
看護師の残業は当たり前ではない!辛いなら転職も視野に入れるべき
看護師として働いていると「残業が当たり前だ」「辛いなんて言っている自分は甘えている」など、無理矢理今の環境を正当化しようとし自分の気持ちをごまかしながら働いている人が多いです。
しかし、辛いと感じている気持ちを見過ごしていては心身ともに疲弊してしまうので、自分の気持ちと向き合って後悔のない選択をしてくださいね。
- 看護師は残業の多い職種だが、職場の空気で帰りにくいと感じるのは異常
- 残業をしなければ給料が安い、残業が当たり前だという空気の蔓延で帰れない
- 辛いときは仕事のやり方を変える、もしくは働く環境を変えたほうが良い
残業を減らすために効率よく働いたとしても、職場の雰囲気で自分だけ帰れない、帰ったら陰口をたたかれるため気を使うというケースは非常に多いです。
仕事が充実しているからこそプライベートも楽しめるので、無理をせずに働ける環境を模索してみてくださいね。
すぐに転職をするつもりはない人も、求人をチェックしつねにアンテナを立てておくと良いですよ。
この3つが
原因です