「奨学金を借りていると辞められないのかな..」
「辞めるって言って一括返済を求められたらどうしよう..」
と思うことはありませんか?
奨学金を借りて進学した人にとって、お礼奉公が終わるまで退職できないのではと悩んでしまいますよね。
結論からお伝えすると、奨学金返済中でも退職はできるものの一括返済を求められるケースが多く、うまく立ち回らないとお礼奉公が終わるまで働き続けなければいけません。
この記事を見れば奨学金を借りていても辞めたいときどうすべきか、一括で返済できないとき何をすればいいのかがわかります。
「奨学金を借りていても辞めたい」「どうすれば退職して新たな一歩を踏み出せるんだろう」と悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
通常の奨学金とは違い一定期間勤務すれば返済義務がなくなる看護奨学金ですが、辞めたいと思うといろいろな悩みがあるのではないでしょうか。
- お礼奉公が終わっていないが、どうしても仕事を辞めたい
- 今辞めたら奨学金の返済はどうなってしまうんだろう
- 一括返済を求められても支払う能力がない
卒業までに3年生の専門学校だと200~300万円、私立の大学だと500~700万円程度の学費が必要だといわれており、奨学金を返さないといけないとプレッシャーに感じてしまう人も多いですよね。
しかし、一般的には口外されていないものの奨学金を肩代わりして返済してくれる病院は存在するので、返済してくれる病院へ転職するのも1つの手です。
奨学金を肩代わりしてくれる病院を自分で探し出すのは大変なことなので、辞めたいと悩んでいる方は転職エージェントを頼って転職先を探してください。
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看護師のお礼奉公とは何なのかサクッと解説
お礼奉公は看護師を目指す学生に経済的な支援をし、卒業後に勤務場所や働く期間に制約がある制度です。
お礼奉公の制度は憲法22条の職業選択の自由や労働基準法に違反する指摘もあるものの、現在も多くの病院で採用されています。お礼奉公とは何か、簡単に解説していきますね。
奨学金の目的 | 医療機関や地方自治体などが奨学金や学費を補助し、看護師不足の解消をおこなう |
勤務の義務 | 卒業後に一定期間働き、特定の医療機関や地域で勤務する |
お礼奉公の期間 | 平均3年(1~5年) |
メリット | 学費の負担が減り経済的事情で進学を諦めずに済む 卒業後の就職先が確保されている |
デメリット | 一定期間、勤務地の選択が制限される 期間中に退職する場合、学費返済が求められる可能性がある |
看護師を目指す学生にとって経済的な支援を受けながら就職先が確保できる一方で、勤務場所や期間に制約があるデメリットもあります。
一般的にお礼奉公は3年と言われており、一定期間働かなければ借りた金額を返済しなければいけません。
e-Gov法令検索「日本国憲法/第22条」「労働基準法/第5条」
お礼奉公中に辞めてもいいの?奨学金を借りているときの退職について
お礼奉公中でも退職はできますが、引き止められないか、奨学金はどうなってしまうのかなど気になってしまいますよね。
そこで、奨学金の退職について基礎知識を紹介するので、辞めたいと考えている方は参考にしてください。
奨学金をすぐに返せ、違約金が発生するなど追い込まれてしまわないか不安になってしまうものですが、退職自体は可能です。
ただし、奨学金を借りている以上通常通り退職の意思を伝えるだけでは辞められないので、返済中の退職について解説していきますね。
奨学金を借りていても退職自体は可能
奨学金を借りているとはいえ日本国憲法で職業を自由に決める権利があるので、退職したくなったら辞められます。
職業選択の自由以外にも労働者を守る法律がいくつもあるので、退職や雇用にまつわる法律を4つ紹介します。
労働基準法 第137条 | 1年を超える有期雇用契約では、契約初日から1年経過すれば退職できる |
民法 628条 | 雇用期間に定めがある場合も、やむを得ない事情があれば契約を解除できる |
労働基準法 第14条 | 労働契約は3年を超える期間契約してはいけない(例外あり) |
労働基準法 第16条 | 労働契約の不履行について、違約金や損害賠償額を予定する契約をしてはいけない |
(出典)e-Gov法令検索
さまざまな法律で労働者は守られているものの、お礼奉公中に安易に退職するのはよくありません。
なかには「契約違反」「損害賠償を請求する」と退職を引き止める病院も存在するので、退職はできるもののお金を借りているという立場をわきまえて行動しましょう。
お礼奉公中に辞めると奨学金はどうなるのか
お礼奉公中に退職はできますが、奨学金がどうなるのか気になってしまいますよね。
病院ごとの決まりや辞める時期によって奨学金の返済方法が異なりますが、大阪府にある病院の奨学金の返済システムを紹介します。
返済例 | 就学年数(4年) | 就学年数(3年) |
---|---|---|
貸付上限(60万円×年数) | 240万円 | 180万円 |
勤続年数4年以上 | 全額免除 | – |
勤続年数3年以上4年未満 | 60万円 | 全額免除 |
勤続年数2年以上3年未満 | 120万円 | 60万円 |
勤続年数1年以上2年未満 | 180万円 | 120万円 |
勤続年数1年未満 | 全額返済 | 全額返済 |
(出典)PL病院
働いた期間を除き返済を求められる病院もあれば、働いた期間は考慮せずに全額返金を求める病院もあります。
お礼奉公中は一括返済を求める病院もあるので、事前に病院と交わした契約を確認し退職するか判断してください。
病院で借りた奨学金の一括返済が難しい看護師の対処法3選
病院によって対応は異なるものの、決められた年数が1日でも足りない場合は一括返済を求められることもあり、どうやって返済すればいいのか悩んでしまいますよね。
卒業までに3年生の専門学校だと200~300万円、私立の大学だと500~700万円程度といわれており、親に借りられないと諦めている人も多いのではないでしょうか。そこで、一括返済できないときの対処法を3つ紹介します。
病院で借りた奨学金の返済が難しい場合でも、うまく立ち回れば手元にお金がない状態でも退職可能です。
一括で返済できないからと言って諦める必要はないので、3つの対処法を解説していきますね。
1.お礼奉公の期間が終わるまで働く
奨学金をすぐに返せる見込みがない、まだ働き始めたばかりで借りている額が大きいという場合、お礼奉公が終わるまで頑張ってみるのも1つの手です。
初めのうちは覚えることも多く失敗続きで心が折れてしまいますが、仕事に慣れてくれば「もう少し頑張ろう」と前向きになる可能性もあります。
- 安定した収入を得られ、奨学金返済の心配をする必要がない
- 返済義務が免除され、違反による罰則やペナルティを避けられる
- 就職先が保証されているため、キャリアを継続できる
返済期間が終わるまで働くのを我慢できればという前提ですが、お礼奉公が終わるまで働くことは経済的、キャリア的にも安定した選択肢です。
将来のキャリアにプラスになる経験を積めるので、残っている期間も考慮したうえで働き続けるか検討してください。
2.分割返済にできないか相談する
何があっても一括返済を求めてくる病院もありますが、事情を話せば分割払いに応じてくれる可能性もあります。
基本的に奨学金は残金を一括払いが原則なのですが、応じてくれれば金銭的、精神的な負担が減りメリットがあります。
- 1度に多額の返済をする必要がなく、毎月の負担が減る
- 毎月の返済額を計画的に設定でき、無理のない返済ができる
- 一括返済のプレッシャーから軽減され、安心感が増す
分割払いができれば経済的な余裕が生まれ、奨学金の返済に対する不安やストレスが大幅に軽減されるのがメリットです。
かならずしも分割返済が認められるわけではありませんが、得られるメリットが大きいので1度相談してみてください。
3.奨学金を肩代わりしてくれる転職先を探す
看護師の代わりに転職先の病院が奨学金を立て替えて返済してくれる、奨学金立替制度がある病院があります。
引き抜きと捉えられてしまうため公にされていませんが、肩代わりしてくれる転職先を見つけるのも1つの手です。
- 新しい転職先が肩代わりしてくれるため、一括で返済しなくていい
- 新しい職場で新しいキャリアを積める
- 奨学金を返済してくれる病院は福利厚生が充実していることが多い
奨学金の一括返金が難しい場合は肩代わりしてくれる転職先を探すのは有効な手段で、経済的な負担が減るうえにキャリアも積めます。
ただし、通常の求人情報で奨学金返済について明記している職場は少ないので、病院のホームページなどをしっかりと確認してみてください。
奨学金を返済するなら転職エージェントを活用すべき理由
奨学金を肩代わりして返済してくれる施設はあるものの、求人情報に記載されているケースは少なく自力で探すのは困難です。
一括返信できないなら奨学金を返済してくれる職場を探すのが1番よいので、転職エージェントを活用し転職先を探すのをおすすめします。なぜおすすめなのか、活用すべき5つの理由を紹介します。
- メンタルをサポートしてくれる
- 奨学金返済中に退職する場合、経済的にも精神的にも大きなストレスがかかります。
利用者に寄り添いメンタル面もサポートしてくれるので、活用すると不安が減りますよ。 - 効果的な転職活動ができる
- 転職活動は時間と労力がかかり、働きながら求人を探し面接日程を調整するのは大変なことです。
転職エージェントは求人紹介だけでなく履歴書の作成や面接対策までおこなってくれるので、効率よく転職先を進められます。 - 非公開求人へアクセスできる
- 転職エージェントは独自の非公開求人を保有しているため、一般的には公開されていない求人にアクセスできます。
非公開求人は好条件の求人が多いので、奨学金を返済しやすい給与や待遇が良い求人を見つけやすいです。 - 条件を交渉してくれる
- 転職エージェントを利用すると1人1人に担当者が付き、給与や待遇を交渉してくれます。
自分で条件を交渉するのは難しいからこそ、プロに任せると働きやすい条件を引き出してもらえますよ。 - 奨学金を返済してくれる転職先を紹介してくれる
- 自分の力で奨学金を返済してくれる転職先を探すのは大変なことですが、プロの手を借りるとスムーズに肩代わりしてくれる病院や施設を探し出せます。
一括で返済するのが難しいからこそ肩代わりしてくれる職場を探すのは難しいので、転職のプロにサポートしてもらってくださいね。
自分で奨学金を返済してくれる職場を探すのは大変なことなので、転職のプロに力を借りたほうがスムーズに転職活動が進みます。
ただし、奨学金を肩代わりしてもらう以上転職先でもお礼奉公期間が設けられる可能性があるので、しっかりと確認してから転職するのか決めてくださいね。
奨学金返済中に辞めたい場合は自分がやりたい看護を考えるべき
お礼奉公は金銭的な事情で進学できない学生が進学できる制度ではありますが、返済期間中に退職すると残金の一括返金を求められます。
たとえ奨学金を肩代わりしてくれる転職先を見つけても新たな返済義務が生じてしまう可能性があるので、自分のやりたい看護を考え長期で働ける職場を選んでくださいね。
- お礼奉公の期間中に退職した場合、一括返金を求められるケースが多い
- 奨学金の一括返済が難しい場合、分割返済できないか相談してみる価値はある
- 奨学金を肩代わりしてくれる病院を探すなら転職エージェントの力を借りると良い
多額の費用を一括で返済するのは難しいので、分割返済や肩代わりしてくれる転職先を探すと返済に対する不安やストレスが大幅に減ります。
長く働ける職場を探すためにも自分のやりたい看護を明確にすることが重要なので、ゆっくり考えてみてくださいね。
転職エージェントを活用すると奨学金返済をしてくれる病院を探しやすくなるので、ぜひ活用してください。
解説します